口から食べることができない障害を摂食障害、ものを飲み込む動作がうまくできないことを嚥下障害と呼んでいます。この種の障害は、脳神経障害など中枢性のもの、口、のど、食道の構造に問題があるもの、小児の場合にある学習障害などが食べる意欲や生きる意欲と複雑に絡み合っています。従来、医療の現場では生命を救うことだけが重視され、かえって退院後の歩行や摂食、排泄の障害をつくってしまうことが少なくありませんでした。こうした反省から、現在では様々なリハビリテーションが積極的に取り組まれています。摂食・嚥下障害のリハビリテーションについても原因の診断とそれに応じた訓練方法が工夫されるようになっています。
ものを飲み込む動作は、口、のど、食道の三つの部屋に各々ドアがついていて、それが中枢のはたらきで上手に連動ないと、飲み込めない、誤嚥するという障害が生じます。ここには中枢、感覚器、筋肉、姿勢などがかかわっています。どの段階の何に問題があるかという診断に基づいて訓練を受けることができれば、ほとんどの摂食・嚥下障害は著しい改善を見せます。